2022年3月27日に開催された第94回アカデミー賞といえば、ウィルスミスが起こしたビンタ事件が大注目されてしまっていますが、日本からは西島秀俊さんが主演を務めた「ドライブ・マイ・カー」が見事受賞を果たしました。。
国際的な大会でも認められた「ドライブ・マイ・カー」ですが、評価は賛否両論あるようです。今回、この記事では話題の映画「ドライブ・マイ・カー」について調べてみました。
受賞歴多数!「ドライブ・マイ・カー」の概要
原作は、ベストセラー作家の村上春樹さんが「女のいない男たち」と題して文藝春秋で連載された短編小説の1作目「ドライブ・マイ・カー」です。後に、バラク・オバマ元米大統領が「2019年のお気に入り読書リスト」に挙げたことも話題となりました。
この作品に惚れ込んだ濱口竜介監督が映画化を熱望し、自ら脚本を手がけ179分という長編映画を完成させました。濱口竜介監督は、これまで、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアなどの世界三大映画祭でも脚光をあび、世界が注目を寄せる監督です。
あらすじ
舞台演出家の主人公・家福は、脚本家の妻・音との間に娘がいたが、幼い頃肺炎で亡くし、今は2人で暮らしている。ある日、家福は妻の浮気現場を目撃してしまうが、これまでの夫婦の生活を壊さないために、何事もなかったように過ごす。
ある日妻から「帰ったら話があるから」と言われた日、帰宅すると妻はくも膜下出血で帰らぬ人になってしまっていた。喪失感と後悔の中、2年後に広島での演劇祭で、ある過去を持つ寡黙なドライバー・渡利みさきに出会う。
そしてオーディションの日、かつて妻「音」が脚本を書いた作品に出演していた、若手俳優の高槻に出会う。家福は、高槻があの時目撃した妻の情事の相手ではないかと思っていた。
寡黙なドライバーのみさきと過ごし、お互いの過去を話すことで、家福は今まで目を背けてきたあることに気付かされていく。そして再生へ向けて踏み出していくのだった。
作品を彩る、豪華キャスト陣
この映画を彩る出演者たちを紹介します。
西島秀俊/家福悠介
昨年話題となった「真犯人フラグ」で、家族が行方不明になった主人公を演じた西島秀俊さん。この「ドライブ・マイ・カー」でも主演を務め、妻を亡くした舞台演出家の主人公を見事に演じました。
三浦透子/渡利みさき
2002年6歳の時に、2代目なっちゃんとしてデビューをした三浦透子さんは、CMやドラマで活躍しながら、2019年公開のアニメーション映画「天気の子」の主題歌のボーカルに抜擢され、話題となりました。三浦透子さん演じる、渡利みさきは主人公・家福の運転手という役柄です。オーディションでその役を射止めたものの、当時免許を持っていなかったそうで、マニュアル免許を17日間で取得されたそうです。
岡田将生/高槻耕史
数々のドラマや映画に出演され、2枚目から少しバラエティー感ある演技など、様々な役をこなす岡田将生さんが演じたのは、物語の中で家福の妻とかつて関係をもち、家福のオーディションに参加する俳優・高槻耕史。高槻は物語の中でキーパーソンとなる重要な人物で、岡田将生さんが見事な演技力で表現されています。
霧島れいか/家福音
主人公の妻「家福音」を演じたのは、OL経験後にモデルとして活動し、その後は数々のドラマに出演している女優・霧島れいかさん。ある日秘密を抱えたまま突然死してしまう、売れっ子のテレビドラマ脚本家という役どころでした。どこかミステリアスな雰囲気がある霧島れいかさんの演技が、秘密を抱えた妻の謎めいた部分とあっていたと思います。
輝かしい受賞歴と世間の評価
「ドライブ・マイ・カー」がアカデミー賞 2022で、邦画初の4部門にノミネートされ、「国際長編映画賞」を受賞したのは有名な話ですが、その他国内外で様々な賞を受賞されています。主なものを抜粋して紹介していきましょう。
- 第74回カンヌ国際映画祭:脚本賞受賞ほか全4冠
- 第87回ニューヨーク映画批評家協会賞:作品賞
- 第79回ゴールデングローブ賞:非英語映画賞
- 第94回アカデミー賞:国際長編映画賞
ニューヨーク映画批評家協会賞では、日本映画として初めての受賞でした。その他、ロサンゼルス映画批評家協会賞と全米映画批評家協会賞でも作品賞を受賞し、外国語映画では史上初の快挙となりました。
世界に認められた作品とも言える「ドライブ・マイ・カー」ですが、SNS上では様々な意見が飛び交っています。
ドライブ・マイ・カーを観に行った。
3時間という長い時間が必要だったんだなぁと思えるラストまでの流れ。
誰にも共感できないが、最後のほうには自然に涙が出た。
最近は配信で映画を観ることが増えたが、この映画に関しては映画館だったからこそ没頭できたのかもしれない。#ドライブ・マイ・カー— しょもな (@xfO7HwQOzy4gMRn) April 23, 2022
#ドライブ・マイ・カー
正直冒頭から乗れずじまい。村上春樹と相性が悪いのだろうか?車中でも稽古場でも戯曲のセリフがあふれる中で、現実のセリフもが舞台的で説明的に感じた。好みの問題ですが。
西島秀俊の演技力はやはり厳しかった。三浦透子・パクユリム・岡田将生などが良かっただけに惜しい。 pic.twitter.com/Z7h52uTO7K— にょろり (@nyorori88) April 18, 2022
#ドライブ・マイ・カー
観た
長いけど長くない
身体にはキツい長さ
子どもと見るのは躊躇する性描写
地上波は無理そう
手話の人綺麗
犬かわいい
ビニール袋カサカサ爺映画館来んな
良くも悪くも村上春樹— ?rena?CRAZY?⚾️1karat? (@rena_Fs_LH) April 20, 2022
ラストシーンから伝わる、物語のその後とは
映画のラストは、韓国のスーパーで買い物したみさきが赤いサーブに乗り込み、以前より明るい表情で車が走っていくというシーン。余韻を残し、締めくくられています。映画を観た方々も、このラストから家福とみさきのその後を考察されているようです。
みさきは、ただドライバーを続けているのでしょうか、それとも家福ともっと深い関係になり、家族として迎えた犬と3人暮らしているということでしょうか。映画のラストは、観た人それぞれの考えで完成するということかもしれませんね。
まとめ
この記事では「数々の受賞歴も賛否両論!?『ドライブ・マイ・カー』のネタバレ・考察」についてまとめてみました。映画を観た方の多くは、“179分という長さを感じさせないくらい集中できた”と語っており、それだけ魅力がある映画なのだと思われます。